急速に発展するロシアIT産業

Made in Russia(ロシア製)という言葉を聞いてどのような印象をもたれますでしょうか? 欠陥が多い、サービスが悪い、といった粗悪品のイメージが日本では一般的で、実際のところ製造業・ハードウェア分野では、日本製品のような品質はとても期待できません。また弊社が「ロシアには欧米に匹敵する優秀なソフト開発会社がありますので、一度ソフト開発のアウトソーシングを試されてはいかがですか?」と日本のお客様に提案すると、大体は「ロシアでソフトなんか作れるんですか?」との反応が返ってきます。

ロシアはソ連時代から非常に高い教育・文化レべルを持っており、ソ連崩壊後に優秀な人材が国外に流出、また西側の技術情報がロシアに流れ込む中、ロシアのIT産業は欧米の最新技術を習得し急速に発展いたしました。

ロシアのソフト開発企業は、90年代後半から欧米企業からのソフト開発委託で急成長を遂げており、欧米の大企業がこぞってロシア国内に数百人単位の研究・開発拠点をもち、ロシアの優秀、かつコストの安いITエンジニアを積極的に活用しています。

脚光を浴びるロシア市場

最近、BRICsという名称でロシア市場は中国に続く新興市場としてブラジル、インドと共に日本のマスコミでの取り扱いが増えています。90年代には、社会主義崩壊後の政治的混乱、腐敗、経済危機が主にマスコミで取り上げられたロシアに関するおきまりの題材でしたが、2000年以降続くロシアの高度経済成長とエネルギーをはじめとする資源価格の高騰を要因として、資源大国として、また新興の消費市場としてのロシア市場に対する日本の経済界の注目は急速に高まっています。

しかしながら、日露ビジネスの最前線の現場から日露ビジネスの現状を鳥瞰すると、日本のマスコミ・経済界のロシア市場へのナイーブな期待感には違和感を覚えざるを得ません。日露ビジネスの実態は、自動車・家電など一部の消費財の日本からロシアへの輸出と一部の現地生産に留まっており、日露ビジネスの裾野が広がっているとも、日露両国が経済面での戦略的パートナーを目指して進んでいるとも言いがたい状況です。

日本から見て、ロシアは将来的可能性を秘めてはいますが、世界的に見ればマイナーな消費資材の輸出先の一つでしかなく、また、ロシア側から見れば日本は高品質な消費物資のサプライソースの一つであるに過ぎません。中国、欧州各国の政府・企業がロシア政府・企業と戦略的な提携を進めているのとは対照的に、ロシアにおける日本政府・企業のウエイトは次第に低下しています。

GDP成長率5%以上が続く高度経済成長

現在モスクワは欧州で一番活気のある都市